「ITエンジニアって大変って聞くけど本当なの?」
「大変なのは昔の話で、今は需要と将来性の高い仕事でしょ?」
「もし大変なら、どう大変なのか知りたい」
かつてITエンジニアといえば3K(きつい・帰れない・給料安い)と言われる職種だったが、IT技術の促進や労働環境の改善によって大きく変化している。
むしろ、テレワークとの親和性が高く、年収1,000万円以上を目指せるうえに、スキルがあれば職に困ることもないなどの理由から、人気の転職先の職種であるといえるじゃろう。
しかし、それでもあらゆる仕事ごとに難しさや大変さがあるように、環境や待遇が大幅に改善されたITエンジニアにも、まだまだ苦労することは残っておるぞ。
良い面ばかりを見て転職すると後悔するので、今回は現場のリアルな大変さや難しさをエンジニアの種類ごとに解説していく。
開発エンジニアの難しさや大変さ
ITエンジニアといえば、プログラミング言語を駆使することが真っ先にイメージされるが、その代表的な職種が開発エンジニア。
高収入でスキルがあれば職に困らないと考えている者も多いが、デスマーチという言葉もあるように、大変さや難しさもある。
ここでは、開発エンジニアの大変さや難しさを紹介していくぞ。
プログラミング言語の習得
未経験から開発エンジニアに転職する際に、真っ先にぶつかるのがプログラミング言語の習得じゃろう。
開発エンジニアはプログラミング言語を駆使してシステム開発をしていく職種じゃ。
言語を習得していなければ仕事にならないのは言うまでもあるまい。
単純にソースコードの書き方を覚えるだけではなく、概念や仕組み、動作環境など覚えることは山ほどあるぞ。
これは未経験者に限った話ではない。
すでにエンジニアとして働いてい者でも、所属企業が新しい技術を導入すると言えば、それに従って勉強をしなければならない。
これが、「エンジニアは常に勉強する姿勢が求められる」所以じゃな。
年齢が若いうちは良いが、年齢を重ねるごとに勉強するのが辛くなると感じる者もいることじゃろう。
また、仕事をたくさん抱えながら勉強時間を確保することも大変と感じることもある。
単に地頭が良いからと片付けることもできるが、プログラミング言語によっては文法や仕組みが似ているものがあることがポイントになっておる。
別言語でも、文法や仕組みが似ているものを習得していれば、違いだけを習得していけば良いので効率的じゃ。
このことからも分かるように、汎用性が高い言語や派生が多い言語を習得しておくと、将来の自分を助けることになるぞ。
納期厳守が厳しい
納期を守ることもエンジニアの大変さのひとつじゃろう。
正論じゃが、人間が1日にできる仕事量は限られておる。
営業が契約を取るために、クライアントから無茶な納期で請けてしまったりする…といった要因もあるな。
また、昨今では労働時間への取り締まりが厳しくなったことで、従来よりも短納期の開発を求められることが多い。
これは、商流が高い大手企業が稼働時間を抑えていることで、そのしわ寄せが下流の企業に来ているためじゃ。
これも正論じゃが、少子高齢化によってあらゆる業界で人手不足が問題となっており、IT人材も圧倒的に不足しているといわれている。
つまり、短納期になれば働く時間を増やして対応するしかないということじゃな。
それでも限界があるので、さまざまな業務効率向上ツールが登場しているのじゃ。
突然の仕様変更
開発を進めているなかで、クライアントから
と突然の仕様変更が入ることも日常茶飯事じゃ。
まぁ、これは要件を詰め切れていない上流工程を担当している者の責任でもあるが…
これまで作成してきたものが、白紙に戻る瞬間はなんとも悲しいのう。
そして、突然の仕様変更に加えて
と言われてしまえば、たまったもんではなかろう。
それでも、こうした理不尽な要求は決して途絶えることはないので、稼働時間が長くなることを覚悟をしておく必要がある。
時間外手当を100%支給してくれる企業に所属していれば金銭で報われるが、みなし残業制度を導入している企業にいるとそれも半減する。
転職先選びの際は、このような事態を見越して雇用条件にも注視すると良いぞ。
インフラエンジニアの難しさや大変さ
システムの基盤となるネットワークやサーバーの構築をするといった重要な役割を担うインフラエンジニア。
未経験からでも目指しやすい職種ではあるが、だからといって簡単な仕事ではないことを忘れてはならない。
ここでは、インフラエンジニアの難しさや大変さを紹介していくぞ。
休日や夜間作業がある
インフラエンジニアの導入や構築作業は、クライアントのサービスが停止している日や時間帯に作業することが多い。
つまり、休日や深夜時間帯ということじゃな。
そのため、生活が不規則になりやすく、体調管理や体力的に大変と感じることも多いぞ。
また、このような生活になることで日中帯に働いている人と時間帯が合わなくなることにストレスを感じる者もいることじゃろう。
仕事が評価されにくい
インフラエンジニアの仕事は、システムの基盤となるネットワークやサーバーといった目に見えない部分にある。
システム開発やWebサービスのように、自身が構築したものが目に見える形で出来上がれば周囲からも評価を受けやすいが、内部的であるため「何が凄いの?」と思われがちじゃ。
自身の頑張りが評価されにくいと、仕事をするうえでモチベーションを保つのも難しいじゃろう。
同じくインフラエンジニアとして働く同僚や、システムに強い上司が働く環境にいると、こうした心的負担も軽減されるぞ。
サーバールームやデータセンターでの作業がきつい
インフラエンジニアは、サーバールームやデータセンターで作業することも多い。
サーバールームでは、非常に多くのサーバーが稼働しており、その放熱を冷やすために室温が低く、空冷のためのファンが音を立てて動いておる。
コンソールを操作する際、椅子はないので立ちっぱなしで作業することもざらじゃ。
サーバールームに置いてある段ボールを拝借して、臨時のデスクを作る者や、ブルーシートに包まりながら作業する猛者もいる。
こうした環境下で働かなければならないことも、インフラエンジニアならではの大変さといえるじゃろう。
Webエンジニアの難しさや大変さ
数あるITエンジニアの種類のなかでも、華やかでオシャレな環境で働くことができるWebエンジニア。
しかし、その華やかさの裏には厳しさや大変さも隠れておる。
良いイメージだけで転職してしまうと後悔するので、どのような大変さがあるのかチェックしていくぞ。
トレンドの入れ替わりが激しい
Web業界のトレンドは非常に入れ替わりの速度が速い。
これは、見せ方の流行りが変われば、それに対応するための技術的なトレンドも変化する。
新しい技術が求められた際の大変さは、先の開発エンジニアの大変さで解説したので割愛するが、このようにトレンドをキャッチするアンテナを常に持ち続けるのは大変な労力といえるじゃろう。
既存のWebサイトやサービスの作り変えも日常茶飯事なので、あらゆる知識を持っていないと対応しきれないぞ。
はじめから自走力を求められる
このような考え方はWebエンジニアで通じないことが多い。
これは、よくIT業界でもWebは文化が違うといわれる理由のひとつでもある。
自社制作しているWeb企業では、指示された作業をこなし、レビューまで独力で進めることを求められることが多い。
いわゆる「自走力」というやつじゃな。
このように感じるかもしれんが、そもそもWebエンジニアに転職する際、ポートフォリオを提示することも多く、自身で作業できない者は内定を獲得することも難しいじゃろう。
開発スピードが速い
Web制作の現場では、要件定義からリリースまで順序通りに進めるウォーターフォール型ではなく、手戻り前提のアジャイル開発が採用されていることが多い。
そのため、開発スピードは非常に速く、目が回るほどじゃ。
あまり推奨できんが、マルチタスクも当たり前のようにこなさなければならないので、大変と感じる者も多いことじゃろう。
忙しさだけではなく、膨大な作業量を並行して進めていくので、タスクをはじめとする管理能力も重要になってくるぞ。
まとめ
ITエンジニアは専門性が高く、スキルがあれば職に困ることはないと考える者は多い。
また、一般的な会社員よりも平均年収が高いことも転職先として人気がある理由のひとつじゃろう。
しかし、そういった良い面ばかり見ていると、転職してから「思っていたのと違う」「こんなに大変だとは思わなかった」と後悔することになるじゃろう。
今回紹介した大変さや難しさはほんの一部じゃ。
自分が目指す種類のエンジニアにはどのような苦労が伴うのか、転職前にしっかり確認しておくことをおすすめするぞ。